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カテゴリー:
八重洲塾

テーマは「SDGs:持続発展可能な農業・食品産業に向けて」

「素敵な未来農林水産業への、架け橋」を目指す、株式会社アグリインキュベーターが主催する「八重洲塾」では、SDGsの問題解決について最先端で活躍する方々を講師に招き、新しい時代の姿を模索しています。

2022年前半の八重洲塾では、「農産物および食品の輸出」についての勉強会を行います。人口減少社会に突入した日本において持続可能な農業・食品産業を考えたとき、「輸出」は不可欠といえます。第43回の八重洲塾では、日本産農産物・食品の輸出の現状と課題・今後の方向性について、農林水産省 輸出・国際局 輸出企画課長 伊藤優志氏、JETRO 農林水産・食品部農林水産・食品戦略的商流構築課長 植杉紀子氏、日本農産物輸出組合 理事長 高橋千秋氏のお三方をお招きして講義いただきました。

伊藤優志氏:「農林水産物・食品の輸出促進」

日本の農林水産物・食品の輸出額は2006年に1兆円の目標額が設定され、2021年に1兆2382億円と1兆円を突破しました。しかし、世界の主要国と比べてわずかな額で、輸入額の10分の1に過ぎません。その一方、海外での日本食人気は高まっています。海外の日本食レストランの数は著しく増加し、訪日外国人が訪日時に期待する内容のトップも「日本食」となっています。この追い風を活用して、輸出額を増やす取り組みが必要だと伊藤氏は語ります。

政府は、「農林水産物及び食品の輸出促進に関する法律」の成立・施行を通じて、2030年までに輸出額を5兆円にまで伸ばそうとしています。その政策を進めるにあたっての課題は4点あると、伊藤氏は解説しました。


「一つ目が輸出先国の規制ニーズに応える産品の生産に試行錯誤が必要だという点、二つ目が輸出先国にニーズがあっても現状価格の設定や量の確保に問題があるという点。三つ目は食品製造事業者の方が輸出相手国の規制やニーズに十分対応できていないという点、そして四つ目は輸出国で売り込む力の不足です。オールジャパンでの販売体制になっていないため、自治体単位のプロモーションでは自治体の名前にブランド価値を見出す消費者が少なく、単発で終わってしまうという傾向があります。このような課題を踏まえて現在進めておりますのが輸出拡大実行戦略です」

輸出拡大実行戦略のポイントは、「海外市場で求められるスペックを満たす産品を専門的・継続的に、生産・販売する」、マーケットイン(顧客の要求や課題を知り、課題を解決する製品を市場に投入する考え方)体制の整備。それを踏まえて伊藤氏は「日本の強みを最大限に発揮する」ことが重要だと語ります。

「他の先進国ではそれぞれの国の強みを有する産品を輸出している一方で、日本では国内の生産・製造状況がそのまま輸出に反映されてしまっており、牛肉・清酒・果物などの日本の強みである産品のシェアは非常に低いというのが現状です。したがって、今後の輸出拡大にあたっては海外で評価される日本の強みがある品目を中心に輸出を加速化させることが不可欠だと思っております」


最後に輸出促進法等改正法案の概要について解説した伊藤氏は次のように締めくくりました。

「輸出は農林産業や食品産業に携わる方々にとっては非常に重要な分野であり、今後重要性はますます高まるだろうと思います。現状まだ輸出に取り組もうという方は一部という状況ですが、一歩一歩着実に浸透させ、推進していきたいと思います」

植杉紀子氏:「農林水産物・食品輸出の現状とジェトロの取り組みについて」

ジェトロ(JETRO:日本貿易振興機構)は、日本貿易振興会を前身として2003年に誕生した独立行政法人で、貿易・投資促進と開発途上国研究を通じ、日本の経済・社会の更なる発展に貢献することを目指しています。ジェトロの植杉氏からは、その多彩な取り組みや支援サービスについて紹介いただきました。

・国内事業者への情報提供やスキルアップ支援
「商談の進め方に関する基礎的・中級者向けのセミナーに加え、品目別のマーケット情報をお伝えする品目別セミナー、さらに海外市場の情勢を現地の専門家がお伝えする海外マーケットセミナーを実施しています。各都道府県の事務所に相談窓口を設け、本部でもアドバイザーを配置しており、海外のコーディネーターに日本語で相談することも可能です」

・ジェトロのサイトを通じた情報公開
「海外の輸入制度の調査を実施するほか、海外の現地市場でどんな商品が有望かを定期的にジェトロが調査して公表しております」

・サンプルショールームの設置

「2020年度後半に香港事務所内に試しに食品サンプルを展示するスペースを作ってみたところ現地のバイヤーに非常に好評だったことから、昨年度はバンコクやロサンゼルス、シカゴなど世界14都市に拡大しました。一番のポイントは、日本の事業者さんにサンプルを国内の指定倉庫に送っていただいた後、そこから先はジェトロが農林水産省の補助金を活用し、現地のショールームに送るという仕組みです。今年度も有望な都市にサンプルショールームを設置する予定です」

上記のほか、様々な取り組みを紹介したうえで、ジェトロの新たな取り組みとして「輸出重点品目の品目団体との連携体制の構築」「輸出支援プラットホーム」を挙げました。



終わりに植杉氏は「ジェトロでは相談窓口を設け、ポータルサイトで情報発信しておりますので、是非HPを見て、お気軽にジェトロにご相談いただければと思います」と述べ、ジェトロの活用促進を呼びかけました。

高橋千秋氏:「劇的な世界の変化と農産物輸出」

「本日のテーマである『劇的な世界の変化と農産物輸出』は、ほとんどウクライナとコロナ、そして円安の話になります」と語り出した高橋氏は、日本の農業が産業としてどう生き残るかについて考えていくうえでのリスクについて解説しました。

・コロナショックと対中国戦略
「中国では上海がロックダウンするなど、今非常に大変なことになっています。しかし、この中国こそ我々の輸出の一番のターゲットになってくると思います。日本の農産物として輸出していくには高付加価値のものでないと中々買ってもらえません。その中でターゲットになるのは近年富裕になり、勝つ距離が近い中国をはじめ東南アジアが中心になると思いますが、この中国は今ロックダウンで物流がほとんど止まってしまっています。(中略)輸出という日本とは違う地域で行うことに対するリスクについて、十分理解をしないといけない上、相手の国のパートナーをちゃんと理解していないと大きな失敗をしてしまう可能性があります」

・ウクライナ問題と輸出の注意点
「2月24日にウクライナへロシアが侵攻しましたが、その頃私の地元である三重県のお米をフィンランドに全農が輸出するプロジェクトがあり、(中略)2月23日にシベリア鉄道を使ってフィンランドに送り、侵攻の開始前にロシアに到着したのですが
その後すぐに侵攻が開始された結果、イギリスなどはロシアを通った製品に対してプレッシャーをかける事態となりました。全農は非常に苦労をし、結局運賃はかなり大赤字でなんとかフィンランドまで届いたということがございました。2030年には5兆円目標が定められていますが(中略)結構出したものの一切儲からなかった、むしろ損になってしまった場合も多々あります。従ってこの問題に関してはしっかりと値決めも含めて、特に今の段階では物流を確保できるかどうか、というのが大変重要になってきます」

・人口減少
「去年1年で日本は64万人減っています。64万人というと浜松市の人口程度ですので、このままでは日本のマーケットがかなり急速に縮小していくと思います。その意味で輸出に対して力を入れて、日本の農業そのものも頑張っていかなくてはいけないと思います」

講演の最後に、高橋氏は「変動性・不確実性・複雑性・曖昧性」を意味する「VUCA(ブーカ)」という言葉を挙げ「これらにどのように対応していくかが、輸出に、農産物に関わる一番大事なポイントではないか」と締めくくりました。



講演終了後の質疑応答の時間では、ファシリテーターの納口氏から寄せられた「ジェトロを上手に使うために、どのようなアプローチをしたらよいか?」「ハラール対応の課題について」という質問に対して、また受講者からの質問に対して、植杉氏と高橋氏が回答し、農産物の輸出についての高い関心が浮き彫りになりました。

八重洲塾の名前の由来

現在は東京駅の東側を指す地名となっている「八重洲」。
この地の名は、江戸時代に通訳として徳川家康に仕えたオランダ人「ヤン・ヨーステン(1556-1623)」の屋敷があったことに由来しています。

ヤン・ヨーステンを生んだオランダは、日本が見習うべき農業大国であり女性の社会参画が積極的な国としても知られており、文化発展の礎となったこの地で「女性の活躍」や「農業」学びを発展させていきたいという想いをこめて『八重洲塾』という名前をつけました。

(主催:株式会社アグリインキュベーター、共催:一般社団法人未来農業創造研究会、協力企業:イオンコンパス株式会社・マイファーム株式会社・イーサポートリンク株式会社)

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