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カテゴリー:
八重洲塾

テーマは「SDGs:気候変動と農業」

30回目となる「八重洲塾」は、株式会社ウェザーマップ代表取締役社長で気象予報士の森朗氏、国立環境研究所気候変動適応センター主席研究員の増冨祐司氏を招いて、「気候変動の下での持続可能な農業の推進について」をテーマに、8月28日に行われた。今回は初となる、会場での対面講演をオンラインでも配信するハイブリッド形式での開催となりました。

森朗氏:「これからの農業気象~もっと使える天気予報を目指して~」

株式会社ウェザーマップの代表取締役社長で気象予報士の資格を持つ森氏の講演は、同社の気象予報士・寺本卓也氏による近年の気象災害規模の拡大、それに対応するためのAI農業と天気予報との取り組みから始まりました。

寺本氏によれば、昨年の台風や豪雨災害による農業被害額は過去10年で3番目に大きな額となるなど、ここ10年の気象災害による農林水産被害額は右肩上がり。そして今年7月の各地の豪雨災害でもすでに桁違いの被害が出ているといいます。

こういった気象災害に立ち向かうために、遠隔での灌漑管理、ハウス内環境管理、栽培のクラウド管理などITを活用したAI農業を進めている農家が増えています。寺本氏はその事例をいくつか紹介したうえで次のように語りました。

現状のAI農業は予報ではなく実況値を元に運用しているものが多いので、天気予報を加味されている農業が現状まだ多くありません。今後は天気予報を加味した『スーパーAI農業』の時代にしていかなければならないと感じています。


続いて森氏は、近年の豪雨の実態を数字を使って分かりやすく説明します。

最近の大雨、関東東北豪雨(2015年9月7日〜11日)の時で、5日ほどで520億㎥、つまり日本全体で使う農業用水の1年分くらいです。平成30年7月豪雨(2018年6月28日〜7月8日)は、農業用水以外も含めた1年間で使う水の量と同じ814億㎥。今年令和2年の7月豪雨(2020年7月3日〜7月31日)はその2倍、計算上の数字ではありますが、1603億㎥の雨水が1カ月間で日本列島に降り注いだということになります。今までの1年間に使う水の量の2倍がわずか1カ月で降ったわけですから、甚大な災害になるわけです。


さらに極端な雨量は、沿岸部で激しく降るために内陸部には雨が届かないという事態も引き起こし、大雨の地域があるのに内陸部では干ばつになるというケースや、強い雨で土壌が流出し、海水の栄養分に変化が生じ水産業へ影響を与えたり、河川の上流となる山の土壌が荒れて下流域に大量の雨水が流れ込んで土砂災害・浸水害のリスクを高めたりするといいます。

このような災害の起こり方の変化に対して、森氏は天気予報の「長期予報」の活用を提案します。「長期予報」とは「2週間先までの気温予報」「1ヶ月予報」「3ヶ月予報」「暖候期予報」「寒候期予報」として、2週間〜半年先の気温や降水量の傾向値、日照時間の傾向値(1か月予報)を示したもので元々農業のために生まれたものでした。

長期予報を踏まえるとリスクが想定できる。早めにリスクが想定できれば、流通政策や価格の安定化を図るということもできるでしょうし、実際に生産者の方は損失回避をできたり、あるいは損失が起きるかもしれないということを前提に経済的に、これは個人ではなくて社会的な備えが必要かと思いますけども、備えに活かすことができるんじゃないかと思います。


最後に「テレビでは放送されない長期予報をインターネットなどいろいろな手段を使って情報発信をしていきたい。情報の中身と方法の両方を考えていきたいと思う」と、長期予報をどのように発信するかという課題を抱えていると語りました。

増冨祐司氏:「気候変動が農業生産に及ぼす影響と適応策」

国立環境研究所 気候変動適応センターで主任研究員を務める増冨氏がまず触れたのは「温暖化の現状と将来予測」。1850年から2013年までの約150年間の気温のグラフを示し、傾向として上がっていることや、近年の日本での最高気温記録の更新頻度について、また今世紀末の平均気温が4℃〜5℃、今よりも高くなる可能性があると予測されていることを紹介。そのうえで「平均気温が4℃上がってもたいしたことないと思われるかもしれませんが…」と、平均気温が2℃上がった場合、日本の気候がどうなるかを次のように解説しました。

(2℃上がると)夏は1ヶ月増え、逆に冬は1か月くらい減るという感覚ですね。我々の持っている季節感というのを完全に変えてしまうと。『夏3ヶ月、冬3か月』が『夏4か月、冬2ヶ月』になるということですね。これが高々2℃上がっただけでこのような感じになってしまうと。これが4℃上がったら恐ろしいことになるのは想像に難くないと思います。


温暖化対策には「緩和策」「適応策」の2つがあり、前者は温室効果ガスそのものを減らすことで、自治体などでも普及しているが、地域ごとに農作物等に生じる影響に対処する後者の認知はまだまだ浸透していないといいます。増冨氏は、「緩和策では追いつかない温暖化の影響は広がっていくため、緩和策に集中するのと同時に、適応策の実施も考えるべき」と主張します。

日本における、米作の適応策の一つとして「高温耐性品種」を紹介。高温に強くおいしいお米を導入し作付面積を徐々に増やすことで、温暖化に対応する取り組みを解説しました。

高温に関しては様々な影響が出ていて、温暖化すると水稲の品質が低下します。質の悪いお米が生まれます。で、品種改良というのは決定的な対策なのですが、時間がかかります。影響を抑えるには、その速度は10年0.5℃くらいの速度で進まなければいけないことを明らかにしました。適応策といってもいろいろなものがありますから、それぞれの適応策の特徴を把握して、包括的な適応戦略を国なり地方自治体なり個々人が立てていくとか、タッグを組んで立てていくのが重要ではないかなと思います


最後に増冨氏は、いままさに直面している温暖化の「適応策」への取り組みには大局的な戦略立案が重要だと語りました。

今回で30回目を迎えた「八重洲塾」。テーマとして据えているSDGs(持続可能な開発目標)は、地球環境や経済活動、人々の暮らしを持続可能とするためにすべての国が2030年までに取り組む行動計画で、気候変動対策など17の目標からなります。森氏と増冨氏の講演から得られた多くの学びが、SDGsの実践につながるものと期待します。

八重洲塾の名前の由来

現在は東京駅の東側を指す地名となっている「八重洲」。
この地の名は、江戸時代に通訳として徳川家康に仕えたオランダ人「ヤン・ヨーステン(1556-1623)」の屋敷があったことに由来しています。
ヤン・ヨーステンを生んだオランダは、日本が見習うべき農業大国であり女性の社会参画が積極的な国としても知られており、文化発展の礎となったこの地で「女性の活躍」や「農業」学びを発展させていきたいという想いをこめて『八重洲塾』という名前をつけました。

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