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八重洲塾
技術革新が進み、目まぐるしく変化する世の中で、既存の価値観が大きな転換を迫られています。これからの未来は瑞々しい価値観を持った人たちと次代の若者が担ってゆくでしょう。「未来農業への懸け橋」を事業コンセプトに掲げる株式会社アグリインキュベーターが主催する八重洲塾では、食や農業の分野において、SDGsの各項目のゴールとどのように関わり、貢献できるかをSDGsの専門家を招いて学び考えていきます。
(共催:一般社団法人未来農業創造研究会 協力企業:イオンコンパス株式会社・マイファーム株式会社)

テーマは「SDGs:地域農業と地域創生」

SDGsは地球環境や経済活動、人々の暮らしを持続可能とするためにすべての国が2030年までに取り組む行動計画で、気候変動対策など17の目標からなっています。 22回目となる今回は、株式会社マイファーム代表取締役の西辻一真氏、「大地の力コンペ2017」で準グランプリを獲得したミズノイリ代表の塩谷吉郎氏、そして「大地の力コンペ2019」で準グランプリの都立大島高校・金子雄氏を招き、地域創生×地域農業×SDGsにおける実際の取組みから、学び考えていきます。

西辻一真氏:中山間地は宝の山

西辻氏が代表を務める株式会社マイファームが目指すのは「『自産自消』ができる社会」。「地産地消」と「自給自足」を組み合わせて作った造語「自産自消」は、一昨年には国語辞典に載るまでに、認知が広がってきています。その思いを次のように解説します。

「自産自消ができる社会を掘り下げると、『自然と触れる楽しさや面白さ』『自然と共に生き、それを仕事にすることのすばらしさ』『その産物を自然丸ごと食べ、自然について会話し、感謝すること』『人が作物を育てるように、人も自然に育てられていること』。これをたくさんの人たちが理解できる社会です。この考え方のキーワードとして、社会を作る構成員である人の存在と、自然というものが透けて見えると思います。人と自然の関わり合いによって生まれる社会を『自産自消ができる社会』と呼んでいるんですね」

地方に暮らす人が地元について「ここには何もない」と語るのは、実は固定概念で「見えていないだけ」で、「僕からすると『そこには自然がいっぱいある』」という西辻氏。地域のイノベーターとなるのは、意外な立場の人だといいます。

「今、地方創生とか、社会情勢が変わってきているかなという中で、その地域にとってのイノベーターとなれる人、火付け役というのは、意外と都市部に住んでいる人です。意外に都市部に住んでいる人々が、その地域の魅力を見つけ、その地域に住んでいる人々に、その地域の魅力の醸成の仕方を教えるというようなタッグを組むことが、私が考える地方創生のベストソリューションです」

続いてマイファームが「ヒト起点×モノ起点」で提供している、さまざまなサービスについても紹介。「体験農園」「農業教育」「流通・販売」「豚の飼育」「薬草栽培」「養蜂」など具体的な取り組みを語りました。最後に、耕作放棄地、人口減少、消滅の危険性…など、ネガティブなワードとともに語られがちな中山間地域を「宝の山」と表現し、地方創生についての西辻氏の考え方を述べました。

「そこにはファンタジーがあり、夢がある。そこで面白いものを見つけたらそれは自分の最高のネタです。それをやるのは最高に楽しいことです。ただ、一点難しいことがあって、それは世紀の大発見だから、社会が受け入れてくれるまで時間がかかるということ。それはつまり、お金になるまでの距離が遠いよということです。それを覚悟してやるのは、まさしくイノベーターです」

塩谷吉郎氏:伊豆から発信する世界のわさび需要拡大への挑戦

実家がわさび農家で、幼少のころからわさびが身近にあったという塩谷氏。大学の進路も自然と農業大学を目指し、そこでは農産物貿易を学びながら、海外へ日本のわさびを売り込んでいけないかと考えていたといいます。商社勤務を経て、現在は総合系コンサルティングファームへと転職。サラリーマンをしながら、週末は実家でわさび栽培を手伝ったり、ハウスを利用して地下水を使った生産方式を試しています。

塩谷氏が語ったのは「わさび産業の課題とチャンス」。まず課題として3つの点を挙げました。


「①本わさびの価格高騰により、業務用で加工わさびに需要が流れてしまっている
②労働負荷が大きい
③生産面積が限られる 
きちんとハウスを作って植物工場化という人もいますが、なかなか一年二年かけて栽培しようとするとコストが見合いません。 広く栽培したくてもできない。 だったら土地の余っている田舎で作れば?と思われるかもしれませんが、きれいな水があるところでないとできません。
これは将来どうなっていくかというと、高齢者が増えてくるので、これから20、30年にわたって、支えていく人がどんどん減っていくと思われます。労働負荷は変わらないし、温暖化によってわさびは暑さに弱い作物でもあるから減るのではないかという心配もあります」

その一方、海外需要の高まりが予想されるなど、チャンスもあると語ります。

「需給バランスが、需要>供給状態が続いているため、生産者からすると、比較的価格が安定して、栽培しやすい環境だということです。需要の面で海外に向けて文化遺産、海外遺産の宣伝による効果も大きい。将来に、海外需要の更なる高まりはあるのではないかと思っています。このような機会に対して何かできないかということが個人的な考えです」

わさび農家の家に生まれ、現場を知るなかで「一番きつい」と感じている労働負荷の改善、また過去のキャリアでも培われた、海外に対する興味とを掛け合わせて、生産を効率化し海外展開を狙う取り組みを進めています。そのうえで、塩谷氏が必要だと考えるのが「わさびのブランディング」。最大のシェアを有する品種「真妻」に変わる品種の、認知や生産拡大に力を入れていると語りました。

「(わさびの)品種は『真妻』が50%くらい、それ以外が50種類ほどあります。市場から認知されているのは基本的に真妻が中心で、それ以外は「青系」とひとくくりに言われています。真妻以外で市場の人が名前を認知しているのは10種類くらい。その中で『いらか』や『J4』などが品種として評価されています。『真妻』は古くからある品種で、クローン苗の技術が発展したとはいえ、既に退化が進んできている品種です。50年前のものと比べると大きさが倍近く違うということで、『真妻』に変わる新しい品種をブランディングしていく必要があるというのが問題意識です。収量がまとまっている『いらか』や『J4』などの品種の出荷量をより拡大し、市場の人がいつでも手に入る環境を整備していきたいと考えています」

金子雄氏:高校における地域と連携した地域振興の取り組み

伊豆大島で唯一の公立高校・都立大島高校で教諭をしている金子氏。株式会社すかいらーくへ入社後、さまざまな「大量生産・大量消費」に社会問題に直面し、農業や食糧のことを勉強し直すため東京農工大へ入学。卒業後、都立高校の教員として採用され、都立農産高校へ着任。2011年から大島高校に赴任。現在は主幹教諭・農場長として、学校内にある椿園で生産される椿を活用して、地域の農業・畜産・観光に役立てる取り組みを行っています。

今年3月に行われた「大地の力コンペ 2019」で、大島高校の取り組みは準グランプリを獲得。そのときに「大地と海の恵みを活かして ~島のミライのために~」という題で発表された、「肥料要求度が高いレモン栽培に、ツバキ油を搾った際に出る油糟を活用」「椿油や油粕を使って鶏を育て、カビリアチキンとして伊豆大島ならではの付加価値をつけた鶏卵や、鶏肉の生産を目指す」「椿の果実を食害する台湾リスを防除することで、椿の収穫量を増やす取り組み」を、大島高校の生徒が紹介しました。

さらに、「大地の力コンペ 2019」発表後の取り組みについて、またまだコンペでは発表していなかった話題についても、金子氏は語りました。

「ジオパーク:伊豆大島にはジオパークというものがあります。ジオパークというのは地球規模の活動を楽しめる、大地の公園という意味なんですが、大地だけでなく、人々の暮らしもというところで、椿とのかかわりが非常に深いので、私と川島さんと、もう一人生徒がジオガイドの資格をとったりして、ジオパークと連携しながら地域を盛り上げていけたらと思っています」

「椿炭:椿もわさび同様、捨てるところがないいろんな利用ができる植物。燃やした後も炭にしたり、灰にしたり。灰の方も陶芸なんかに使っていただいて、いい色がでるそうです」

「島唐辛子の活用:島唐辛子は沖縄を思い浮かべるかもしれないが、伊豆諸島でも島唐辛子を行っていて、大地の力コンペのメイドイン東京の会と連携していこうということで、これを機に何か新しい特産品を作れればというところです」

「オオシマザクラの活用:大島は椿とオオシマザクラが有名です。オオシマザクラも何か使えないかということで小川香料という会社で、何か新しい特産品を作れないかとやっているところです」

最後に、今後の取り組みそして、地域貢献についての思いを、金子氏は語りました。

「地域貢献を通じて生徒を成長させていきたい。また、学校が地域の活力になるようになっていきたいと思います。そして、これが私として一番大きな原動力なのですが、大島高校で学びたい、農林科で学びたいという生徒を一人でも増やしたいというところです。(中略)魅力ある学校にしていけば、大島高校で勉強したいという子が来てくれるんじゃないかなと思ってやっております。進学するにしろ、就職するにしろ、学んだことを活かして希望ある進路に進んでいただきたい。持続可能な地域づくりに貢献していければということを思っているところです」

パネルディスカッション・質疑応答の時間では、西辻氏をファシリテーターに、塩谷氏、金子氏、そして大島高校の生徒2名が参加。それぞれの取り組みに対する活発な議論が交わされたほか、高校生の2人に「これから実行したいビジネスプラン」ついての質問が寄せられました。その質問に対し、「高校生だからこそできる活動に取り組みたい」と回答。農業と地域との未来について、多くのヒントを感じられた一日になりました。

■八重洲塾の名前の由来

現在は東京駅の東側を指す地名となっている「八重洲」。

この地の名は、江戸時代に通訳として徳川家康に仕えたオランダ人「ヤン・ヨーステン(1556-1623)」の屋敷があったことに由来しています。ヤン・ヨーステンを生んだオランダは、日本が見習うべき農業大国であり女性の社会参画が積極的な国としても知られており、文化発展の礎となったこの地で「女性の活躍」や「農業」学びを発展させていきたいという想いをこめて『八重洲塾』という名前をつけました。

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