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カテゴリー:
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技術革新が進み、目まぐるしく変化する世の中で、既存の価値観が大きな転換を迫られています。これからの未来は瑞々しい価値観を持った人たちと次代の若者が担ってゆくでしょう。「未来農業への懸け橋」を事業コンセプトに掲げる株式会社アグリインキュベーターが主催する八重洲塾では、食や農業の分野において、SDGsの各項目のゴールとどのように関わり、貢献できるかをSDGsの専門家を招いて学び考えていきます。
(共催:女性未来農業創造研究会 協力企業:イオンコンパス株式会社・マイファーム株式会社)
学びと交流を深める!『第19回八重洲塾』開催レポート

テーマは「SDGs」

SDGs(エス・ディー・ジーズ)とは「持続可能な開発目標」のこと。地球環境や経済活動、人々の暮らしを持続可能とするために、すべての国が2030年までに取り組む行動計画で、気候変動対策など17の目標からなります。

19回目の八重洲塾では、「GLOBAL G.A.P.」をテーマに、有限会社森谷ファーム代表取締役の森谷裕美氏、有限会社まるせい果樹園の佐藤ゆきえ氏、有限会社妙義ナバファームの黛佐予氏、株式会社プレマ代表取締役の飯野晃子氏に講演いただきました。

有限会社 森谷ファーム 代表取締役 森谷裕美氏 ~GLOBAL G.A.P取得で見えてきたもの~

就農25年目・4代目にあたる森谷氏が代表取締役を務める森谷ファームでは、平成28年に「GLOBAL G.A.P」を取得しました。「GLOBAL G.A.P」がマニュアルの徹底や作業現場の問題点整理を解決する素晴らしいツールであり、今後スタンダードになるものと感じ、「いつかは取得したい」と思っていたものの、目先の作業に追われなかなか一歩を踏み出せなかったといいます。そんな中、取引先の農業企業家研究所「HAL財団」でのグループ認証を知り、取得へのきっかけになったと語ります。その理由は「グループ認証は問題点の整理がしやすく、単独で取得するよりも経費が少なく、事務局がしっかりしている」というメリットがあったためでした。

準備期間は約1年。それでも、個人経営から会社経営に移行していたタイミングだったため、多岐にわたる準備に苦戦したといいます。しかし「今まで後回しにしていたことやできていなかったこと、書類の整理や農薬の分類などが、GGAP取得に向けて一気にできた」と、森谷氏は振り返りました。

また、「GLOBAL G.A.P」取得のメリットとして、以下の5点を挙げました。


1)整理整頓の徹底で意識が変わったことで、時間コストの削減につながった。
2)暗黙知を明文化し、作業の時間短縮、指示の一貫性担保につながった
3)記憶よりも記録に残して皆でシェア。
4)生産活動のPDCAサイクルを繰り返すことで経営改善
5)雇用の募集では、安心な農場とのことで働き手に選ばれる農場に。

有限会社まるせい果樹園 佐藤ゆきえ氏 ~想像=創造~

「GLOBAL G.A.P」取得のきっかけは、東日本大震災で起きた原発事故だったと、佐藤氏は言います。

放射能の問題に直面し、その影響で直売所のお客さんが激減した。震災前は1日30台の大型観光バスが来ていたが、震災の年は1年間に1、2台来たかどうか。自分たちの農業を福島で続けていくためには、持続可能な農業をどうやったらいいか考え、その選択肢としてGGAP取得を目指した。




また経営観点からのメリットとして、記憶と経験に頼っていた農業を「記録」をベースとして事業化されることと述べました。

今までの農業は属人化。これからは多工脳化。1人がやっていた仕事を多人数に分け与えることで、自分の手から仕事を離せる。そのようにやっていかないと事業としての農業はやっていけない。昔の農業は記憶と経験。これからは、記録がベースとなり事業化されていく。


有限会社妙義ナバファーム 黛 佐氏 ~(有)妙義ナバファームが取り組むきのこ生産 グローバルGAP認証取得とその後~

長野県との県境の安中市できのこ栽培を行っている妙義ナバファームでは、菌床で3品目を生産し、売り上げの中心であるしいたけの生産量は年間1500トンを誇っています。
妙義ナバファームのグループは3法人からなり、きのこ栽培と販売の「妙義ナバファーム」、菌床製造ときのこ栽培を手がける「妙義マッシュガーデン」の2法人が「GLOBAL G.A.P」の認証を取得しています。

「GLOBAL G.A.P」の取得理由は、当初は外資系スーパーとの取引のため第三者審査を受けていたが、自主的に取り組むべきだと考えたと語る黛氏。今後は自分たちのために認証を受け継続していこうという思いを強くしたといいます。


「GLOBAL G.A.P」認証のためもあるが、自分たちで作業工程について考えることによって、どの工程で機械化が進められるかなど、自分たちであらかじめ考えることができた。菌床栽培のしいたけは1年中忙しい。繁忙期・農閑期で忙しさの差があまりない。繁忙期は日々の作業をこなすだけで精一杯できちんと座って考える時間がとれなかったが、「GLOBAL G.A.P」のおかげで考える時間をとれるようになった。




また課題として、以下の2点を挙げました。

課題①生産量の計画的な管理と安定化
GAPを通じて経営上のリスクを回避したい
施設園芸キノコは工場?コントロールしていても振り回される。人の手が必要
改善点:求められる品質をぶれなく生産→ツールを活用できれば解消していくはず。

課題②スタッフの意識改革
オリパラの食材になればいいなとは思っているが、それが目的ではない。
が、GGAP認証取得によって、自社のきのこを定期的に海外に出荷することができている。
従業員の意識を「GGAPもとっていて、なんかすごいじゃん」というところから、もっと先へ。



株式会社プレマ 代表取締役 飯野晃子氏~有機認証とGLOBALG.A.P.認証を生かしたサステナブルな農場経営の取り組み~

有機小松菜の栽培を主に手がける株式会社プレマの代表取締役・飯野氏が「GLOBAL G.A.P」の取得を決意し、社内で宣言したところ、当初は社員からの反発があったといいます。そこで、飯野氏は「有機認証に加えて、GLOBALG.A.P.の取得はわが社にとって必要なのだ」と社員を説得。はじめは消極的だった社員が自主的な勉強会をするようになり、「GLOBAL G.A.P」が自分たちの農場管理とってプラスになる、さらに自分たちにもプラスになるのだと理解してもらえるようになる。自発的に取得に向けての準備へと社内が動き出したと語ります。

「GGAPは自主的な管理のツールであり、取得の有無は経営者の判断。それを実際生かして進めていくには、社員が自主的に勉強したり、管理を進めたりして、経営者の考えが社内に浸透することが重要」だと飯野氏は述べ、SDGsと、「GLOBAL G.A.P」との共通点について指摘しました。


「有機農業」というと農業の中ではまだまだ一部の人による取組になってしまうが、「GLOBAL G.A.P」は、より幅広い人々がサステナブルな農業の推進に取り組める。SDGsのゴールも、農業の取り組みに生かせることが多く、全体的に農業の中に広まっていくことが理想だと思う。

特に取り上げたいのは、
12番:つくる責任 つかう責任
3番:安全に対する意識は消費者側から上がることが多いが、消費者側の視点と作り手からの視点の両方の視点が重要。
17番:パートナーシップ。消費者と生産者が協力して有機やサステナブルな農業を広めていく。
これらのSDGsのゴールは、消費者と生産者の両方向からのサステナブルな農業の推進を示している。


認証がなくても安心・安全で信頼できる関係性があるならばいいのだろうが、もっともっと消費者に有機やサステナブルな農業を広める、エコの取組を広めるためにも、「GLOBAL G.A.P」という共通の認証をもって広めていくことが重要である。生産者と消費者の信頼関係を広め、サステナブルな農業を全体的に推進するためにも「GLOBAL G.A.P」が生産者や業界だけでなく、一般消費者も関心をもつように認知されて浸透することを期待したい。


学びと交流を深める!『第19回八重洲塾』開催レポート

講演後のパネルディスカッションでは、参加者からの質問に4氏がそれぞれの視点で回答し、より深い理解と議論につながる場となりました。


■八重洲塾の名前の由来
現在は東京駅の東側を指す地名となっている「八重洲」。
この地の名は、江戸時代に通訳として徳川家康に仕えたオランダ人「ヤン・ヨーステン(1556-1623)」の屋敷があったことに由来しています。
ヤン・ヨーステンを生んだオランダは、日本が見習うべき農業大国であり女性の社会参画が積極的な国としても知られており、文化発展の礎となったこの地で「女性の活躍」や「農業」学びを発展させていきたいという想いをこめて『八重洲塾』という名前をつけました。

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