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イオンコンパスでは、「未来創造」のための「学び」と「交流」の場として、定期的に開催されている「八重洲塾」の開催に協力しています。第1回~第3回は「女性の活躍」、第4回~第6回は「食と健康」、第7回〜第9回は「農業の未来創造」、第10回と11回は「女性農業者活躍」をテーマに、多くの方にご参加をいただきました。第5フェーズとなる第12回・第13回のテーマは「SDGs(持続可能な開発目標)」。SDGsは地球環境や経済活動、人々の暮らしを持続可能とするためにすべての国が2030年までに取り組む行動計画で、気候変動対策など17の目標からなります。食や農業の分野において、SDGsの各項目のゴールとどのように関わり、貢献できるかをSDGsの専門家を招いて学び、考えていきます。

12回目となる八重洲塾は、大崎麻子氏を講師にお招きし、2018年6月19日に開催されました。

大崎麻子氏 〜「SDGsとは?」女性と農業の未来を拓く〜 SDGsの歴史を振り返る

「SDGs」にはいくつものテーマがあるなかで、大崎氏がとりわけ専門としているのは「ジェンダー」。この日の講演でも、「そのテーマのいずれのゴールでも、ジェンダー視点を主流化させることが非常に大切」との観点から、お話をいただきました。

「SDGs」の歴史をさかのぼると、その前身には「MDGs(ミレニアム開発目標)」があります。「MDGs」が掲げた「開発」の目標と、「リオ+20」が掲げる「環境」分野の目標とを融合させ、2030年以降、地球環境や社会・経済を持続させていくために、やらねばならない17テーマを定めたのが「SDGs」だといいます。双方の精神のベースとなっているのは、1945年に制定された「国連憲章」だと、大崎氏は語ります。

「1945年までに二度も起こしてしまった世界大戦を、二度とおこさない。これが国連憲章を定めた原点。自由、人権、民主主義の3点を重要項目として掲げているが、それは国際社会が目指すべき「理想」であり、現実は全く違う。この理想とギャップをどう埋めるか。70年に渡り、国連を話し合いの場として、ギャップを埋めるための様々な枠組みができ、様々な取組みが行われてきました。」

「MDGs」の歴史的な経緯と、その問題点を克服するために行われた取り組みを踏まえて、「SDGs」がリアリティのある課題に対する活動として認知されつつある現状を解説いただきました。


「SDGs」が重視する考え方

「MDGs」では、途上国の開発が主眼に置かれていましたが、「SDGs」は全ての国が対象です。今や、先進国でも国内の格差や不平等は大きな問題になっているからです。SDGsに通底するのは「Leave no behind(誰一人取り残さない)」という理念です。そこには、先進国・途上国、男女、都市部と地方など、さまざまな不平等と格差をなくすという目的があります。

また、もう一つの理念は「Social Transformation(社会変革)」。その前提として、「今までのやり方では、持続可能な社会ではなくなるという考え方」があります。今までのやり方を見直し、新しいやり方や考え方を積極的に模索していくことが求められていると、大崎氏は指摘します。

そして「マルチステークスホルダー」の考え方も、「SDGs」では重要だといいます。例えば、企業は、かつてはCSR(Corporate Social Responsibility:企業の社会的責任)的な支援の考え方があり「発展途上国のために何かをする」という考え方だったが、SDGsでは「皆が主体」であり、調達の仕方、役員会など意思決定の場の多様性、社員が健康に働くための環境整備など、自分たちの事業のありようそのものも「持続可能」な形態に変えていくことも求められているといいます。

現代に“根付く”女性格差

少数民族や障がい者など、同じマイノリティの中でも、さらに差別されやすいのが女性。二重の差別にさらされている女性がたくさんいます。大崎氏は、性差別は、根源的な問題だと性別による差別根源的な問題であることを指摘しました。また、一見、「公平」「平等」に行われているように見える開発支援でも、「ジェンダーの視点」を欠くと、せっかくの支援が男女格差を助長するということを「教育」を例に取り、「小学校の低学年のクラスは男女半々なのに、高学年や中学校になると女子が激減する現象」をジェンダー視点から解説しました。

「支援の段階では男女差別の意図は全くない。女の子の能力が劣るのか?意欲がないのか?調査をしていくと、女の子特有の障壁が多数、存在することが分かりました。望まない妊娠や、家族のお世話にまつわるケア労働(育児、介護、看護)や水汲みや薪集めの手伝いなどで、小学校高学年には学校にいかなくなってしまうのです」

この他にも、「学校のトイレが男女共用で、プライバシーや衛生が保たれていないと、生理の時に学校に通えなかったり、トイレでレイプなどの暴力に合いやすい」「通学路でハラスメントや誘拐や暴力に合うリスクが高い」など、学校に通い続けるにあたっては女子特有のハードルがある。女子特有の障壁を洗い出し、ニーズに対応しなければ、公平に支援をしたつもりでも結果として格差が広がることになる。「まずは、人々、生徒、農民、村人、と言った時に、そこには男性と女性、男の子と女の子がいルことをあえて認識することが大事」と指摘しました。

重要なキーワードは「女性のエンパワーメント」である。女性の地位向上や女性活躍と訳されるが、ニュアンスは少し違う。本来は、女性が日常生活や人生におけるあらゆる選択を自分で行えること、つまり、自己決定権を行使できるような力をつけるプロセスのこと。その例として、ベトナムでの山岳民族の例を挙げて、大崎氏は語ります。


「ベトナムは社会主義国で、教育には熱心に取り組んでいたが、山岳地帯の少数民族、特に女の子にまでは行き届いていなかった。調べてみると、山岳民族の女子就学率のネックは母親でした。理由は、女性たちが担っている過酷なケア労働。つまり、女の子は水汲みや薪集めなどの手伝いとして貴重な労働力なのです。また、お母さんたち自身が学校にいったことないので、学校に行くことが女の子にどう役に立つのか、想像ができなかったのです。だから、娘を学校に行かせることに消極的でした」

そこで、母親たちを対象に、字の読み書きと、日々の生活ですぐに使えるような健康、栄養、衛生にまつわる知識が同時に身につくような手法を開発し、さらには、生計手段に結びつくような技術指導も実施。学ぶとは、経済力をつけるとは、どういうことかを体験してもらったそうです。そして、それがまさにエンパワーメントのプロセスだといいます。その結果、「自分たちよりもよい生活を、子どもたちが受けられるようになる」と、娘たちを学校に行かせるようになったそうです。

経済面からも注目される女性のエンパワーメント

経済の面でも、女性のエンパワーメントは注目を集めています。その理由の一つに、女性のエンパワーメントに対する投資は、その効果が女性自身にとどまらず、子どもや家族、つまり、コミュニティや次世代にまで波及することが挙げられます。世界銀行は「女性のエンパワーメントやジェンダー平等は、賢い経済である」と結論づけています。OECD(経済協力開発機構)、世界経済フォーラム、世界的な投資銀行やコンサルティング・ファームなどの調査でも、途上国だけではなく、女性が男性と同じように活躍できる条件が整っている、つまり、ジェンダー平等が進展している国の方が経済成長の伸びしろが大きいと指摘しているそうです。世界経済フォーラムが2006年からグローバル・ジェンダー・ギャップ報告書を発表し始めたのは、そのような考え方が世界的な潮流になったからだといいます。

「ジェンダー平等というゴールは、“女性の人権”がもともとの出発点ですが、現在では”経済合理性”という観点でも重要視され、G7、G20、APECなどの議論にも反映されています。」

今では、日本年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)や海外の機関投資家も、ESG投資の流れで、「女性活躍」の度合いに注目しており、投資を受ける側にとっては、性差別の解消・男女平等に取り組まないことが中長期的にはリスクになりつつあります。

日本では、女性の労働参加率は増加傾向にありますが、賃金格差はまだ根深く残り、管理職・幹部職割合も低い。つまり、働き続け、キャリアを構築できる環境が整っていない。さらには、そのような環境整備でも重要な役割を担う国会議員の比率が世界最低ランクであることが大きな問題であると、大崎氏は言います。

地方活性化の大きな障壁である、少子高齢化の原因は、出産可能年齢の女性たちが地域から流出すること。「若い男女が進学や就職のために都市部に移動します。その後のUターン率は男性の方が高い。女性は都市部や欧米諸国など、女性が生きやすい土地に留まる傾向がある」という話を挙げ、「女性たちが帰りたくないのは、根強く残る家父長制的な考え方や規範に生きづらさを感じるからです。地方活性化をしたければ、女性たちが地域づくりや地域の意思決定に主体的に参加できるような仕組みを作ったり、性差別的な規範をアップデートして文化のスマート化を試みたり、テクノロジーを活用して様々な働き方ができるような環境整備をしていくことでしょう」と結びました。


講演後の質疑応答でも、「少数民族の人たちとの関わり合い」「女性が政治に入ることのメリット」「ジェンダーの問題の、日本での報道について」「女性が幹部になって意思決定をするうえで洞察する力をより強めていくには」などといった、踏み込んだ質問が続々寄せられ、SDGsと女性の格差についての注目の高さを感じられました。

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