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カテゴリー:
八重洲塾

テーマは「SDGs:気候変動と農業」

「素敵な未来農林水産業への、架け橋」を目指す、株式会社アグリインキュベーターが主催する「八重洲塾」では、農業の未来を担う最先端で活躍する方々を講師に招き、新しい農業の姿を模索しています。33回目となる今回は「SDGs:『地域農業と地域創生』」をテーマに、江守正多氏、福永庸明氏、髙瀬貴文氏の3名を招き、11月20日に行われました。今回は感染防止対策に配慮した対面・オンライン配信によるハイブリッド開催となりました。

江守正多氏 :「気候危機・コロナ危機と社会の大転換」

国立環境研究所地球環境研究センターで副センター長を務める江守氏の専門分野は「気候シミュレーション」による地球温暖化の将来予測。今年はコロナ禍によるロックダウンの影響もあり年間で7%ほどCO₂の排出量が減ると予測されていますが、大気中のCO₂濃度への影響はほとんどなく、毎年7%ずつ減るくらいでないとパリ協定の目標を目指せるペースにはならないといいます。ではどうすれば化石燃料を再生可能エネルギーに置き換えできるのか。江守氏は「社会の大転換(トランスフォーメーション)」の必要性を語ります。

「単なる制度や技術の導入ではなく、人々の世界観の変化を伴う過程、つまりモノの考え方、見方、常識の変化が起きなくてはいけないのです。(中略)京都議定書の時は負担の押し付け合いがゲームのルールだったわけです。しかし、パリ協定になってパラダイムが変化し、技術の変化というファクターが入ってきました。以前は、再生可能エネルギーは高くて当たり前でした。(中略)今は、安い再生可能エネルギーが世の中に存在しています。世界のエネルギー、インフラ、交通等を総入れ替えする巨大なマーケットが突如として発生・認識されるわけで、ビジネスの機会の奪い合いが起こり、それが新しいゲームのルールとなる、というのを2017年にスイスの研究者が指摘しています。」

最後に新型コロナウイルスの流行と「出口」の話を例に、気候変動問題の「出口」について次のように語りました。

「今回のコロナはワクチン、治療薬ができれば抑え込むことができるのかもしれないけれど、そのうちまたすぐ同じような感染症、新興感染症が出てくるよといわれています。(中略)人間活動により、ウイルスが瞬く間に世界中に広がる。そして、社会的な弱者から健康の被害や経済的な被害にあい、格差の再生産が起こる。ワクチンの取り合いや国同士の非難のし合いといった不完全な国際協調⋯⋯。こういう構造を続けたままだと、先程の「出口」は一時的なものに過ぎないのではないかと思われます。気候変動に関しても、似たような構造があるんだと思います。技術を入れ替えただけで、本当の最終的な出口といえるのかということを考えなくてはならない。これらの問題の「出口」が問われている、ということだと思います。」

福永庸明氏 :「気候変動の中、限りある資源を農業にどう活用すべきか」

イオンアグリ創造株式会社代表取締役社長の福永氏が提議したのは、農業の持続可能性について。「ひと・もの・かね」が有限の資源であるからこそ投資する前に、持続可能なのかを考え、持続可能な環境を作る方向へと進めなければならないと語ります。日本の農業について言えば、人に限ったとしてもさまざまな問題があるといいます。

「人に関しては、今の日本の農業は所得も(他の業種と比べて)最下位に近く、持続可能な環境とは言えません。(農林水産省の推進する)『スマート農業(ロボット技術やICTを活用して超省力・高品質生産を実現する新たな農業)』というものもありますが、本当にこれをやることで上手くいくのかということも考えていかなくてはならない、スマート農業と唱えて実行しても本当にスマートになるのか、環境に対応した農業は可能なのかと考えます。」

厳しい現状を踏まえたうえで、イオンアグリ創造での活動や取り組みを紹介します。埼玉県日高市の「日高農場」では有機栽培農場に特化し、持続可能な農業を目指しているほか、「兵庫三木里脇農場」では食品ロスを堆肥化して肥料として使い、得られた生産物を販売する完全リサイクルループを行っているといいます。また次世代への教育にも力をいれており、その事例を紹介しました。

「子供たちに環境を学んでもらう『ファーマーズプログラム』をグループ内で立ち上げ、各農場で勉強してもらっています。これは収穫だけ勉強してもらうわけではなく、環境学習という形で最初から収穫まで一連の流れを全部勉強し、食べ物の大切さ、環境に対して自分たちがやらなくてはいけないことを勉強しています。(中略)農業大学校の子たちと一緒になってここでも環境学習をしています。ギャップと言うものを実地で勉強してもらって取り組みを広げていこう、といったものを行っています。」

髙瀬貴文氏 :「温暖化に対する果実堂の取り組み」

株式会社果実堂および株式会社果実堂テクロノロジーで代表取締役社長を務める高瀬氏からは、ベビーリーフ栽培をメインに有機栽培を行っている同社では、施設栽培、露地、そして海外での農業指導(コンサルティング)における、自社での温暖化に対する取り組み事例が紹介されました。まず農場現場では社員の技術の平準化を進めることで、CO₂の削減を目指していると、高瀬氏は語ります。

農作業の技術を平準化するための星取り表があります。様々な工程に対して試験があり、(中略)これにより平準化が進んでいくと、トラクターの燃料費の低減にもつながるなど、コストの削減=環境に配慮しているというふうに考えています。また、全ての作業をマニュアル化し、技術の平準化そして効率化を測っています。労務環境も変えていき、他産業と変わらないような状態を作っていきたいと考えています。」

続いて圃場では、自身が建築士という経歴を生かしてパイプハウスを改良し収穫量を改善した事例が紹介されました。

「一般的なパイプハウスは建築学の側面からみると『サイド側からしか換気ができないという』欠陥的な問題があり、夏の暑い状況下ではハウス内が外気よりも非常に高い状態になります。これを改善するために、我々は、ハウスの上部が開くタイプのハウスを開発しました。これにより、対流による換気が可能となり、夏場の高温回避につながりました。実際に葉物野菜で試してみると、夏場の収量が2~3倍に上げることが可能となりました。」
このほか、水管理やバイオスティミュラントという農業資材を使った取り組みが紹介されました。

最後に海外での取り組みでは、ミャンマーでの「スーチーシルクプロジェクト」での改善指導の事例で桑栽培を成功させた例を紹介。

「ミャンマーでは、アウンサンスーチーさんの肝いりプロジェクトであるスーチーシルクプロジェクトに参加していました。8年前から、ミャンマーでは蚕の餌となる桑ができないことが問題となっており、2年前からミャンマーに行かせてもらい指導を行ってきました。桑栽培に苦戦する大きな要因が、ミャンマーでの40℃を超える雨季乾季の存在でした。そこで、我々は土壌の物理性・化学性・排水性を改善するための
指導を行い続け、指導から1年で桑栽培を成功させることができました。」

高温環境においても農作物の収穫が行えるようになり、温暖化に対応した農業への可能性を感じさせる内容となりました。

八重洲塾の名前の由来

現在は東京駅の東側を指す地名となっている「八重洲」。

この地の名は、江戸時代に通訳として徳川家康に仕えたオランダ人「ヤン・ヨーステン(1556-1623)」の屋敷があったことに由来しています。

ヤン・ヨーステンを生んだオランダは、日本が見習うべき農業大国であり女性の社会参画が積極的な国としても知られており、文化発展の礎となったこの地で「女性の活躍」や「農業」学びを発展させていきたいという想いをこめて『八重洲塾』という名前をつけました。

(主催:株式会社アグリインキュベーター、共催:一般社団法人未来農業創造研究会、協力企業:イオンコンパス株式会社・マイファーム株式会社・イーサポートリンク株式会社)

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